前回、抜歯より楽だろうと思い、歯茎を切開して汚れ・バイ菌を取り除く歯周病の外科的治療「フラップ手術」を受ける決心をお伝えしました。
前回までの流れがこちら
>【歯周病治療】スケーリング体験とフラップ手術までの流れ・歯医者選びポイント6つ
https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
歯科医師によるフラップ手術の説明
歯科医師は何が何でも「この治療しかありませんよ」とは言いません。でも・・・
歯科医師の話
・外科治療フラップ手術は保険適用です。
・歯茎を切る治療は一般的
・歯茎の奥まで掃除しないダメ
・骨が溶けてるようだ
・ぐらついている歯も多い
などなど、歯周病治療でフラップ手術は当たり前。誰でもやっているかのような説明をなさいます。
本当でしょうか?皆さんそんなに簡単に歯茎を切開するのでしょうか?・・・
そういえば、初診時から「歯周病治療をしたい」と伝えるとわかりやすい図を使って、フラップ手術の説明していたかも、とぼんやり思い出したのでした。
参考:全国健康保険協会東京支部
歯周病悪化で総入れ歯になってしまう恐怖
90歳、100歳まで元気で生きるシニアも増えている現代。60歳としても残りの30年~40年もあります。その期間、入れ歯で過ごすのは避けたいところ。
歯科医師はさすがです。患者の心理にズバズバ刺さるセリフを投げかけ、フラップ手術をすすめます。
もちろん正しい治療と信じるからこそなのでしょう。よかれと思っての説明と信じたいです。
私もできるだけ自分の歯が残しておきたい。それが可能ならやってしまおうか。でも歯茎を切って、めくってなんて恐ろしい。どうしようかと悩みました。
ネットで調べてみても変なことでもなさそう。今どきの歯周病治療みたいです。でもかなり迷ったのは事実です。
フラップ手術を受けた日の出来事
フラップ手術予約の日。
まだ決心がつかず、いろいろ考えながら歯科医院を訪れました。予約の時間に個室に通され、いよいよ治療開始です。
歯科医師が登場し、フラップ手術の部位の相談が始まりました。上下の奥歯と糸切り歯で5か所を提案され、隣り合っている歯は2本まとめて治療するとのこと。
一気に全部はできないと言われ、「どこから始めますか?希望はありますか?」と問われました。
仕方ありません。もはやまな板にのった鯉のつもりで「おまかせします」と伝えました。実はこの時もまだ迷っていて、本心は切らなくてよいなら切りたくなかったです。
そんなことを知ってか知らずか「奥歯の2本を同時にやりましょう」と歯科医師と歯科衛生士は手際よく準備がすすめます。
本当にドキドキしました。そして、さあ!という時に、歯科医師が突然こんなことを言い始めたのです。
フラップ手術直前、突然のセールス!?えっ?
「9月に厚生省の認可が降りたばかりの薬なんですが、どうしますか?」
「は?・・・」
「今までは大学病院などだけでで使われていました。保険外だったので1回5万とか10万の薬なんです。
それがつい先頃、9月にようやく保険が適用になりました。一般でも1本6,000円~8,000円で使えるようになったんです。
(フラップ手術は2017年9月中旬)
「え??・・・」
「フラップ手術だけなら、保険で歯1本13,000円くらい。この薬を使うと治療費は高くなります。でも歯茎を再生させる薬なので術後の経過が良いです。」
「・・・(歯茎再生?何それ?)」
唐突に「歯茎再生治療薬」の使用を切り出された気がしました。
いやいやいやいや、何で今頃?最初に説明なかったじゃん!え!もしかして悪徳歯科医?とあせりました。
「そ、その薬って、本当に効果はあるんですか?」と質問します。
すると認可に厳しい日本の厚生省が認可した薬。しかも日本製。効果がないと認可されないから、効果は認められているとおっしゃいます。
わかったようなわからないような・・・
フラップ手術のデメリットは歯茎さがり
フラップ手術のデメリット。それは歯茎を切る治療なので、術後、歯茎さがりがあることです。
そのため、下がった歯茎を元の高さまで再生する薬が研究されいるとのこと。
今までは再生薬として「エムドゲイン」を使っていました。正直なところ効果がなかった。すすめるのはそれに代わる新薬だと言います。
フラップ手術直前、突然のセールスさせた薬。歯茎を再生させる夢のような治療薬。
その名は「リグロス」
参考:科研製薬株式会社
リグロス®歯科用液キット600µg
1キット 20,670円リグロス®歯科用液キット1200µg
1キット 27,802円
さて、どうしたものか。
認可されたばかりの薬。本当に効果があるのか、ないのかはなはだ疑問です。
突然しかもけっこうなお値段だったのですぐに判断できず、この時は丁寧にお断わりしました。
フラップ手術の流れ
フラップ手術の流れはほぼ同じです。私のフラップ手術もこちらの画像と同じ流れですすめられました。
痛くないよう最初に歯茎に塗る麻酔を使い、その後に注射麻酔を打ちます。
治療する歯が隣り合う奥歯2本にしたので、注射は複数か所打ちました。
注射針を刺す時、チクッと痛みを感じる部位もありましたが、我慢できます。
ほどなく麻酔がきいて痛みを感じなくなります。
おもむろにメスで切開し歯と歯茎の間の汚れ・バイ菌を掃除(スケーリング)します。
想像するとザワザワしますが、痛くないのでさほど気になりません。
むしろ、奥歯の治療で口を大きく開けるので、口角が切れた痛みの方が気になりました。
根の表面をなめらか(ルートプレーニング)にします。
本来であれば、ここで縫い合わせて手術は終了です。
手術の終わりがけに痛みが襲う!
ところが、手術終盤に麻酔が切れたのが、微妙な痛みが襲ってきました。でもまだ大丈夫、我慢できます。
と、この時、急にある思いが脳裏を駆け巡りました。
このまま歯茎に問題があってたら取返しがつかないんじゃないの?縫われたら終わりだよね?
じゃあ、できるだけのことはした方がいいかな。うわ、どうしよう!!
次の瞬間、私は口を開けたままこう言ったのでした。
「へんへい、はっきのクフリふあってくらはい・・・」
歯周組織再生剤リグロス注入
フラップ手術は部分麻酔。当然、意識があります。
カリカリガリガリ(汚れをとる音)やバヒュバヒュ(バキュームの音)などいろいろな音が聞こえてきます。
耳からくる寒気を全身で感じながら、そろそろ終盤化?という頃。麻酔が切れたような微妙な痛みを感じました。
脳内ではアゴの下にメスを入れ、顔の皮膚をめくって手術する妄想が広がっています。
実際にはそれほどのことではありませんが、痛みを感じると猛烈に気分が沈みました。
歯茎の奥の汚れ・バイ菌の掃除が終わったら、歯周組織再生剤「リグロス」を注射器で患部に注入します。
その後、縫合。私の場合は、3か所縫いました。
出来上がりはこんなイメージです。
参考:科研製薬株式会社リグロス
フラップ手術、直後の様子
フラップ手術で患部を縫い合わす頃から、痛みが強くなってきました。糸で縫う痛みではなく、切開した痛みです。
3か所、歯茎を縫い終わった頃には我慢できないほど。
即、訴えてその場で痛み止めカロナールの大きい錠剤をもらい飲みました。歯科医師も少し心配そう。
そして、フラップ手術が終わった後は、歯科衛生士から注意点を伺いました。
注意事項
・水を飲みすぎない
・患部になるべく触れない
・お酒は避ける
・お風呂は避ける
・抜糸まで患部の歯磨きはしない
抗生物質と痛み止めのカロナールが処方され、お会計。抗生物質はかならず全部飲み切ることが大切らしいです。
帰宅後、痛みがピークに
フラップ手術後。すぐに痛み止めカロナールの大きい錠剤を服用しました。でも30分以上経ってもまったく痛みが治まりません。
仕方がないので、自宅に常備していたロキソニンを飲んでやっと痛みがとれました。奥歯の治療で、大きく口を開け続けたことで口角が切れた痛みもあります。
縫った糸が舌にさわり、何とも不快。出血もしてますし、この日は何もする気になれません。心持ち、頬が腫れているなぁと思いながら、布団にもぐりこんで耐えました。
下の画像はフラップ手術、直後の画像です。小さめに載せますね。
フラップ手術後、2日目
翌日、抗生物質と痛み止めカロナールを真面目に服用し、仕事に出かけました。ところが、この日から頬が少しづつ腫れあがっていきます。
ロキソニンは強い薬なのでカロナールを飲んでいましたが、痛みはおさまりません。
ずっとズキズキが続きます。我慢できなくて午前中で会社を早退。翌日は休暇をとりました。
フラップ手術後、3日目
頬の腫れは3日目がピークでした。痛みはありませんが、不快感が残ります。顏半分がおたふく納豆のおかめ状態。
ここまで腫れました。
フラップ手術後、1週間後で抜糸
フラップ手術後、1週間目で抜糸。さすがにこの頃には痛みはありません。抜糸はスムーズに終わり、患部もきれいとのこと。
歯科医師に頬が腫れた件を伝えると「腫れるのはめずらしい」と言われました。
ですが、この時点でもまだ腫れは残っていました。完全に引くまで10日以上かかっています。
ネット情報を見ると腫れるケースもよくあるそうです。
フラップ手術を計画されている方は、くれぐれも痛みと腫れにご注意ください。数日、仕事を休むくらいでよいかもしれません。
フラップ手術後、20日目、抜糸後の様子
現在、20日ほど経過していますが、痛みや腫れはありません。
フラップ手術をした付近を恐る恐る歯磨きをしたのは、さら1週間くらい経っていたと思います。
傷口がめくれるような気がして、なかなか触れることもできなかったです。
あと4か所、フラップ手術が予定されています。1回目の体験があまりに強烈だったこともあり、フラップ手術を回避できないものか。
ずっとネット検索をしているのですが、調べれば調べるほど、毎日のブラッシングがとても重要とわかります。
フラップ手術を避けるなら予防が大事
フラップ手術後のダメージは抜歯より小さいです。しかし、ひどい歯周病には手術の効果がないとも言われています。
フラップ手術に限らず、インプラント治療も含め、歯科医師にすすめられるまま治療するのは考え物ではないでしょうか。事前にたくさん情報を集めて、しっかり納得してから行うべきです。
私は情報収集不足のままフラップ手術に踏み切きました。
フラップ手術後、まだまだ自分で予防できることがあったと反省しています。今後、フラップ手術を続けるかどうか悩んでいます。